子どもが一台の端末を持って学ぶようになって早2ヶ月
子どもの技能の向上の凄まじさに驚いているのは私だけでしょうか
私たち教員もどのように活用すべきか手探りの状態です
「もっとよい活用方法があるのでは・・・」
「こんなことやっても意味はないのかな・・・」
などと、悩みながら日々実践されていることと思います
しかし、「子どもに力をつける」ために「自問自答」しながら明日の授業を考えることが教師にとって大切な資質なのだと思います
「今は、まだ、とにかく試すとき」です
失敗を恐れて、一歩を踏み出さない
最善を誰かに示唆されるまで、様子を見る
これでは、主体的な問題解決者を育てようとする理科教師としては寂しい限りです
そして、協働的な学びの実現を目指すために、私たち自身も協働的に学びたいものです
「今は、まだ、とにかく試すとき」
みなさんが授業で端末を活用した事例をぜひ紹介してください
・失敗事例でも構いません
・理科の授業の紹介が基本ですが、それ以外の場面の活用でも構いません
・同じような活用方法がすでに示されていても構いません
・札幌支部研発部会では、自分たちの研究発表に直結するので出し惜しみしたくなる気持ちもわかりますが、太っ腹スタイルでお願いします
・事例の紹介がなくても、感想などのコメントのみも大歓迎です
・担任外や管理職の方々のコメントも歓迎です(「今は試すとき」なので、ポジティブな感想を切望します)
・札幌支部以外の書き込みも大々歓迎です
みなさんで、理科における端末の活用方法を探りましょう
みなさんが、毎日チェックしたくなる掲示板を創りましょう
みなさんで、楽しみながら研究を進めていきましょう
子どもに授業中の発言を促しますよね?
「間違いを恐れることなんてないよ。そもそも、間違いなんてないよ。」と。
受信しているだけよりも、発信することの価値を感じているからですよね?
みなさんが授業で端末をどのように活用しているのか、ぜひとも教えてください!
勉強させてもらっています
自分が一生懸命授業をしていた頃は、まだGIGA以前だったので、GIGAによって理科の授業がどう進化するのか、勉強させてもらっています。
私も昨年度の段階では、「新しいノート」としての機能に着目していたところですが、ここでの投稿を読んで、①子ども自身が自分の思考の履歴をつくりながら、他者と比較しながら、思考の整理(次第にシンプルに、美しくなっていく)ができる点、②科学的な考え方を主観→客観(より多くの人が同意する考え)という面から考えると,科学的な考え方に練り上げていく過程がより具体化できる…と思いました。素晴らしいですね。
読んでいて、思わずコメントしてしまいました。これからも、勉強させて下さい。(M)
細谷先生
理科における他者の存在というのは、自分の中で大変興味のあるテーマで、ここ数年、個人的に様々調査研究しています。そこで、課題に感じていたのが、グループで活動を進める際、一見すると追究がうまく進んでいるように見えても、グループ内では、思考・判断している程度に個によってばらつきがあるということです。実際にボイスレコーダーを置いてグループ実験中の対話を分析してみるとよく分かります。ですから、最近は、一人一人が思考する場をいかに保障するかという観点から授業づくりを行なうことが多くなっています。場の設定については、単元や場面によっても有効性は変わってくるものと考えますが、自分の中で整理しているのは以下の通りです。
【グループ】
○多様な見方・考え方が反映された働きかけが生まれやすい
▲次の働きかけを決める際に、自分が決定に関与しなくても追究が進むことがある
▲考えの妥当性よりも、多数決で次の働きかけが決まる場合も
【個人】
○自分の思ったタイミングで、自分の試したいことを実験することができる
▲活動をしているため、一見「主体的」であるかのようにも見えるが、「活動的」に止まっている場合もある。科学的な主体性を発揮しているのかについては、しっかりと見極める必要がある。
▲論理的に考えず、とりあえずやってみている場合もある。そのように試行錯誤しながら追究することにも一定の価値がある(ただ高学年だったら、そうした働きかけでは不十分)。一方で、自分の働きかけにより、何をどこまで明らかにできるのかという実験の目的が曖昧なままに進めることで、結果から何が言えるかを考えることに難しさもある。
【バディ】
○問題の解決にあたり、自分が考えた働きかけについて、一旦言語化する必要がある。そのため、何を明らかにするために、何をするのかという、繋がりをより一層自覚することができる。その際に、目的と方法のずれに気付く場合もあれば、条件制御の不十分さに気付き、追究の方法を見つめ直すきっかけが生まれるものと考える。つまり、働きかけをより科学的なものにできる可能性がある。
▲○自分が考えた方法で実験できない場合がある。ただ、バディの考えた方法で実験を行なう場合でも、自分の考えた方法よりも、より科学的な追究であると判断し、その方法で実験すること自体が行為主体性を発揮した姿の一つであると考える。つまり、高学年の理科における「行為主体性を発揮する姿」とは、自分の思ったことを思った通りに思ったタイミングでどんどん試すことではない。見通しをもって論理的に考えながら働きかけることで、科学的により妥当な考えをつくり出していくことこそが、「行為主体性を発揮する姿」であると考える。
▲理科だけではなく、他教科においても、自分の考えをもって学習に臨む姿勢を育んでいることが前提となる。形態だけこのような形にしても、うまくいかない場合も。
ICTを活用することで、それぞれの▲を○に変えられる可能性もあります。
いずれにせよ、学習形態一つとっても、教師側がねらいをはっきりともっていることが大切になるのかなと思っています。今度ぜひこういった話もゆっくりしたいですね。
髙畠先生
ありがとうございます!
学校研究のフィルターを通して、理科の授業を見つめることの大切さを実感しています。理科授業における当たり前や前提を問い直す過程を大切にしていきたいです。
髙畠先生の全校研も楽しみにしています!
紺野先生
そうだったんですね!
令和の子どもも全く同じ思考の流れでした。「酸素21%問題」は、子どもの姿からも、植物の働きや身の回りの環境のつながりに目を向けるよいきっかけになるなと感じました。実際、植物が空気のバランスを保ってくれていると捉えることは、自然事象の価値を創り出すことにもつながっていました。
コメント、ありがとうございました!
大昔の実践を思い出しました。鐙先生の方がはるかに先に行っている実践ですが。
子どもはCO2を多くすれば…光をたくさん、長時間当てれば、できるO2を増やせるはずってなるんですよ。で、いくら頑張っても、一定以上の割合にはいかない…
自分も」教材研修していて、植物には酸素センサーでもあるのか、と思えるような事実でした。
いずれにしても、植物の働きに新たな価値を見出す実践ですね。
ありがとうございました!
「ICTの活用により、他者との接点を増やす」
夏休み明けにもかかわらず、投稿していただいた小松先生&細谷先生の投稿に刺激を受け、先日の全校研では、ICTをフルに活用しました。
実践した単元は「植物のつくりとはたらき(一部、「生き物のくらしと環境」)」です。
学校研究の文言を使っているため、伝わりづらい部分もあるかと思いますが、本実践の主張と概要を伝えるために、まずは指導案をアップします。
一人一人の子どもに主体性を育むことに力点を置いた研究です。
さらに本実践では、コロナ禍であるために制限していることを逆手に取って、一人一人の学びをより深めることを狙いました。
①呼気を使えないならば、二酸化炭素ボンベを活用する
→こうすることで、植物の気体交換に対する子どもの素朴概念(植物は二酸化炭素があればあるほど酸素をつくる)を浮き彫りにする
②机の真ん中についたてがあり、お互いの声が聞き取りづらいならば、いっそのこと4人1組のグループではなく、2人1組のバディにする。
→こうすることで、一人一人が決定に関与することができるようにするとともに、自分の考えを見つめ直すきっかけを生む
③グループ間の移動が制限されるならば、ICTを活用する
→こうすることで、他者の見方・考え方に、自分のタイミングでアクセスできるようになる。
本時を終えて、コロナ禍で「いつも通りにできない」今だからこそ、これまで当たり前にしていたことを見つめ直すことができるのだなと実感しています。
ちなみに本学級では、バディ制はかなり有効に機能しています。ただ、6年生のこの時期だからようやくできるのかなとも感じています。2人1組にすることで個やグループで活動するときよりも、一人一人にどれだけ問題解決の力が身に付いているのかが浮き彫りになります。そのため、指導と評価の一体化という観点からも有効な方法であると考えます。この形態の有効性については、今後も子どもの姿を通して検討していきたいと思っています。
さて、本題に入ります。本実践では、スプレッドシートとJamboadを活用しました。スプレッドシートは、バディ毎に実験結果を打ち込むと、一覧表に表示される仕組みにしました。
なお、間違って消してしまうことがないように、一覧表には保護をかけました。子どもたちは最初の条件が似たバディの結果と比較し、変化の要因に目を向けていきました。
この結果を目にし、子どもたちから、「条件を変えれば、もっと酸素を増やせるはずだ」という見通しが生まれました。そこで、どんな条件を変えると酸素が増えそうだと考えるのか、それぞれの考えを引き出しました。このように他者の視点に触れられるようにした上で、一人一人が解決の方法を発想する場を作りました。その後、バディで実験方法を話し合い一つに絞り込んでいきました。考えた方法は、理科室の座席表を背景に固定したJamboadに、随時入力していきます。(右上の1グループのみ、入力し最後にエンターを押した瞬間にデータが消えてしまいました。不具合の原因はただ今調査中です。)
どの条件によって特に酸素の割合が変化するのかを明らかにしようと要因追究に向かっているバディもあれば、最も酸素が増やせそうな方法を考え複数の条件を変化させようとしているバディもあります。また、「他のバディが○○の実験をするなら、自分たちのバディはこの条件に着目してみよう」など、Jamboadを通して他者の働きかけとのつながりを検討しているバディもいました。こうした姿は、ICTを活用したからこそ、生まれた姿であるとも考えられます。
どのような働きかけであっても「酸素が21%を超えない」という事象と出合ったとき、子どもは、植物を単体で見るのではなく、植物が空気のバランスを保つのに重要な役割を果たしていることに目を向けていきます。実際、「絶対酸素は21%以上になるはずだ」と予想しながらも、「でも、21%を超えなかったら、逆に植物ってすごい」と実験前から興奮気味の子どももいました。追実験は、今週天気のよい日に行なう予定です。
以上、実践より、ICTを活用していることが色濃く伝わるところを紹介しました。
ICTの活用と対話が、自然事象を見つめ直すきっかけを生んでいるという点で、北理研の今次研究にもつながる実践になったものと考えます。
※北野小の青柳先生より、酸素チェッカーをお借りできたからこそ実現できた実践です。この場を借りて、厚くお礼申し上げます。本当にありがとうございました!
【追実験後の報告】
雲の少ない日(最高気温20℃)に実験を行ないました。
先日の投稿にのせていたJamboadの実験を、各バディで行いました。
その中から一部をご紹介します。
下のバディは、袋を小さくすれば、酸素の割合が21%以上にはるはずだという見通しのもと実験を行なっています。「この結果次第で、空気の量が関係しているのか、気体の割合が関係しているのかを明らかにできる」、結果の見通しを明確にもって実験に取り組んでいました。
下のバディは、日陰のできない屋上にポトスを置いています。
多くのバディは、二酸化炭素濃度を高くして実験をしています。
以下の表が追実験の結果です。
子どもたちは、「条件を変えても酸素が21%程度でとまる」という実験結果と、身の回りの空気の酸素の割合も21%程度であるという事実を結び付けることで、植物は酸素が21%程度になるように調整する働きがあるということを見いだしていきました。このように、植物が身の回りの環境のバランスを保ってくれていると捉えることは、自然事象の価値を見いだすことにもつながっていました。また、「二酸化炭素を酸素に変えるのに上限があるということは、二酸化炭素を出し続けると植物だけでは気体のバランスを保てなくなるってことなんだ」とあらためて、地球環境問題を捉え直す姿にもつながっていました。こうした子どもの姿からも、「酸素21%」に問題を見いだせるようにする展開は価値があったものと考えます。
単元を通したまとめは「理科レポート」という形で、Jamboadで行なっています。月曜日に締切りなので、そちらの様子も、後日追記していきます。
追記
単元のまとめで「理科レポート」を作成しました。いつもは、ノート見開き1ページで行なっているのですが、今回はJamboadで行なってみました。初めての取り組みだったので、時間は多めにとって、全校研の裏の自習時間を2時間使いました。条件は「自分のしたこと、見たこと、考えたこと、調べたことを中心にまとめること」として、のせる情報やレイアウトはお任せで行ないました。
Jamboadの活用は、子どもたちからはおおむね好評。その理由としては…
・普段より情報量を多くできること
・項目毎に書いてから、構造的に整理できること
などが挙げられていました。
なお、実験の写真を撮りためておくと、レポートの中身も変わってきそうです。
実際に印刷するときには、A3サイズになるので、今米粒のように見えている文字もよむことができます。
これらの子どものレポートを読んでいると、こうした活動を通して、実験で明らかになったことを基に身の回りの事象を見つめ直したり、自分の学び方を振り返ったりすることは、新たな価値を創り出す子どもの姿を引き出す上で一つの手立てになりうるなと感じました。
二学期も始まり、chromebookの活用がますます進んできていることかと思います。一番大きかったのは「まなびポケット」の導入開始ですかね。すでに使っている先生方がほとんどだと思いますが、ご存じない方、または「知っているけど使ったことがない」という方のために、簡単に紹介します。
○まなびポケットの「スクールタクト」を活用した観察
3年理科「花がさいたよ」の実践
※一番最初にやってみたものなので、質は度外視してください(笑)
・ヒマワリとホウセンカを観察しに行く
・写真を撮る(今回は時間の関係上、写真は教師が撮りました)
・ヒマワリとホウセンカについて観察したことを「スクールタクト」で
まとめる。
※名前は白く消しています。本来は全て名前が表示されています。
この「スクールタクト」は、軽く、操作しやすいjamboardという感じです。残念な点としては、有料版じゃないと共同作業ができないという点です。なんとか購入していただけるよう頑張ります(笑)
とても使いやすい「スクールタクト」ですが、やはり他者を常に意識できるところが良いです。一斉に指導しなくても、良いまとめ方は子ども同士で真似し合います。今回の学習では、「線で分けて見やすくする」「ヒマワリとホウセンカを比較する」等といったところを、子どもたちで価値づけ合っていました。(ちなみに、いいねボタンやコメント機能もあります。)
この学習の後、自分では気づかなかった点について、もう一度見に行きたい!という声が上がりました。ここに協働的な学習の価値があると感じます。
余談ですが、「スクールタクト」は理科もそうですが、図工などの鑑賞にも使えます。子ども同士がコメントしますし、作品は写真として残せるので、評価のこの時期に大変助かっています。
幌西小 小松です。
夏休み中に…と考えていたのですが、すっかり2学期になってしまいました。
今更ですが、1学期に「動物のからだのはたらき」にて、クロームブックを用いた実践を行いました。全国発表に向けての実践です。
チームプレゼンテーションの作成を単元の軸に据え、3人一組で1つのスライドを共同編集できるようにしました。
チームによる活動が、協働的な学びを引き出すか。蓄積したプレゼンテーションを振り返ることで、個の変容の自覚につながるか、を明らかにしようと考えました。
詳しくは発表の機会に回すとして、実践を行った感覚をお伝えすると、
「一長一短」
発表の際には、ぜひ先生方のご意見をいただければと思います。
使ったアプリは、以下の通りです。
フォーム→事前事後のアンケート、および毎時間の振り返りを記入
スプレッドシート→呼気の実験結果をグラフ化
スライド→本実践のメインディッシュ。見通し、結果、考察…全時間、全て記入
これまでの先生方の記事に書かれているものと、使い方の大きな違いはありません。
前置きが長くなりましたが、今回は実際のスライドと、並行して書いていた子どものノートを投稿します。
全国の打ち合わせの際、横倉先生から「子どものノートがどうなっているのか見てみたい。」というお話をいただいたので、全児童のノートを撮りました。
まずは子どものノート。
普段の書く量は多めの子ですが、後半に行くに従ってノートへの記述が減っていました。
ノート書くの大好きっ娘のみ、単元通してえげつない量の記述がありましたが、基本的にどの子も後半に行くに従って記述が減っています。
続いて、先ほどの子のプレゼンテーションの変化です。
前半のスライドは、書き方の指導もしていたので、枠を教師が作成し、その中に記入するよう指示しました。誰がどこに書いたかわかるよう、自分の色を決めて、それを背景色にするようにしています。(上述の子はピンク)
後半のスライドです。記述量が増えたり、記述の仕方を工夫したりする様子が見られました。背景色さえ変えなければ、自由に何ページでも作って良いと指示しました。今回は割愛していますが、ノートの記述量と反比例し、スライドの記述が増え、1つの課題に対し2枚程度記述する子が多かったです。
単元終了時のスライドの枚数は、1チーム60枚ほど。一番多いチームは97枚でした。
スライドにまとめていく良い点は、
・どの子も字が読みやすい。(字が綺麗)
・慣れると書くより速い。修正も楽。
・図、グラフも速く書くことができる。
だと感じました。
一方で、調べ学習の際、コピペ児童が多発しました。もちろん、情報を取捨選択し、記述内容を検討する様子も見られましたが。一見、しっかりと書いてあるようで、調べた内容が頭に入っていない、いざ発表となると発言できないという子が結構いました。
ノートへの記述は、時間がかかる手間がかかる、といったデメリットがある一方で、考える作業がスライドよりも多いという印象をもっています。自分が書いて、手を真っ黒にしながら学習をしてきたからか、やっぱりノートだよな、と思ってしまうのですが…先生方は、どうお考えでしょうか。
今回の実践は、校内で公開したのですが、授業後に校長先生から「クロームブックが子どもの文房具になっていますね。」というお話をいただきました。
また、先ほどの子どもが授業後に書いた振り返りには、
「プレゼンテーションでの学習がよかった。なぜなら、ノートも自分の考えたくさんかけて、あとから他の人と交流してこの考え良いなと思ったらノートに書けば良いけれど、プレゼンテーションに書いた方がより良い考えをかける。プレゼンだと自分の考えを書きながら他の人の考えも見れて、勉強しやすいからです。」
との記述がありました。
多くの子が、プレゼンテーションに記述することに対して、前向きな意見を述べていました。
一方で、ノート大好き少数派は、こんな振り返りを書いていました。
「ノートのいいところは、ちゃんと頭に入ってくるからです。パソコンを使うと、ただまる写しやコピーなどもできてしまうから、かなり簡単なことだけど、ノートに書くと、自分が理解しながら書くことができるからです。」
子どもの中でも、一長一短、のようです。
いつか、クロームブックがノートに取って代わる日が来るのかもしれません。
その日までには、クロームブックへの記述が当たり前、に自分も変化させねばと思いました。でも、やっぱり、ノートが好き!
何の話をしていたのでしょうか…
まとまりがなくなってしまいましたので、ここまでにしたいと思います。
おおくの昨日のZoom研修会、お疲れさまでした。大変有意義な会でした。GIGAの実践も価値づけていただき、嬉しいかぎりです。
以前、昆虫を撮影し、共有ドライブに保存したものをみんなで見て、コメントをし合うことの良さについて投稿しました。その延長線ではありますが、Chromebookの可能性について見えてきた部分がありましたので、投稿させていただきます。
3年「こん虫を調べよう」
私がこの単元を実践する前に考えていたのは、
「Chromebookの画像、動画を活用することで、実物の観察に取って代わるものになる」という可能性についてです。
もちろん、実物に勝る教材などないとは思っていましたが、「用意が大変」「環境に左右される」などといったデメリットが実物にはあります。
Chromebookでの観察には
・拡大の操作が容易
・画面越しなので昆虫が苦手でも平気
・フォルダごとにラベリングでき、時間経過、個体ごとの比較が容易
・コメント機能で学びが深まる
など、多くのメリットがありました。
これらを踏まえ、昆虫の共通性・多様性を実感できる教材を考え、実践しました。今回注目したのが「昆虫の口」です。以下、実践報告です。
「昆虫の食べ物を根拠に、どのような口の構造をしているのかを予想する」
昆虫の口は大きく分けて“噛み砕く口”と“吸う口”に分けることができる。食べ物が異なれば口の構造は異なり、食べ物が同じであれば口の構造も似ていることに気付くことで、昆虫の共通性・多様性を実感できると考えた。
Jambordで一人一人が予想した。
成果○と反省▲
○他者の予想を見て、自分の考えと比較する姿が生まれた。
○デジタルデータなので、配布や共有が圧倒的に楽であった。
▲そもそも、育てた経験も見た経験もない昆虫について考えることは、3年生にとっては難しかった。(食べ物を根拠に考えられると想定していた)
「昆虫の口を観察し、何を食べているのかを再度考える」
単元前にレディネスをとり、昆虫が食べていると思っているものと実際に食べているものにズレがある昆虫をピックアップした。それらの昆虫の口を観察し、食べている物を再度考えることで、口を見れば何を食べているのかが分かることに気付くことができ、感動が生まれるのではないかと考えた。
成果○と反省▲
○拡大しながら食い入るように観察していた。(特にスズメバチの口についての発見があった際には、歓声が上がるほどであった)
○前時までに学習した昆虫の口と比較する姿が生まれた。
▲確かめる際にNHK for schoolの動画を視聴したのだが、これが問題解決となったのかは疑問符がつく。
まとめ
「Chromebookの画像、動画を活用することで、実物の観察に取って代わるものになる」という可能性
この可能性は、限りなく低いです。やはり子どもが深く「分かる」のは、実際に見たり、触れたり、育てたりした経験があるときであり、今回の実践で、改めてそれが分かりました。
しかし、「Chromebookの画像、動画を活用することで、実物を見つめ直す契機になる」という可能性は大いに感じました。拡大機能やコメント機能で、新たな問題を発見し解決するために、また、友達の言っていることを確かめるために、実物を何度も見る姿が非常に多くありありました。また、孵化の瞬間や羽化の瞬間を動画で撮影すると、その後どうなったのかを確かめていました。
従来の学習にChromebookをミックスさせることで、より効果的な学びになるという確信がより強いものとなりました。2学期も、Chromebookの効果的な活用を目指し、実践し、発信していきたいです。長文失礼しました。皆様、よい夏休みをお過ごしください。
6年「動物のからだのはたらき」
〈GIGA〉
Googleスライドを個別のデジタルノートとして活用(共同編集なし)
〈授業〉
課題「食べ物は口の中で変化した後、どこでどう変わるのかな」
活動の流れ(2時間)
「生活経験や既有知識から、予想を立てる」
→「他者と予想を比較する」
→「教科書やインターネットで調べる」
→「Googleスライドにまとめる」
→「途中経過を共有ドライブで見合う」
→「Googleスライドにまとめる」
→「提出」
→「全体で調べたことを整理し結論へ」
〈Googleスライドの配付〉
「左に図」「右に説明」をレイアウトしたスライドを、Classroomの課題から「各生徒にコピーを作成」で配付
〈活動前の指導〉
・「みんなの予想からでた臓器のイラストを1スライドに1枚ずつ貼りつけた ので、そこに調べたことを打ち込んでいっていいよ。逆に今回の課題には関係ない、と思ったら消してしまってもいいし、スライドの順番を変えてもいいよ。」
*ちなみに、子どもの予想を事前に想定してイラストを準備しておきました が、用意していない臓器が話題に挙がったら、その場ですぐ差し込もうと考えていました。
・「『わかりたい』なら教科書、『広げたい・深めたい』ならインターネットがふさわしいので、順序をよく考えて調べていこう」
・テキストボックスを貼り付けて、その中に文字を打ち込む方法
・図の貼り付け方
・失敗したら「←」のボタンで時を戻す方法
〈子どもがつくったデジタルノート〉
だいたいはみんなこんな感じでまとめていました。
「食道」は予想で出てこなかったため、イラストの準備はしていませんでしたが、自分で食道のスライドを加えていました。
紙ノートだったら、いつもほとんど書けない(書かない)子どもがつくったスライド。PC効果の可能性を感じます。
肝臓について深く調べたことを表していた、漫画「はたらく細胞」好きの子どものスライド
「人以外の動物(うさぎ)はどうなっているか」に着目した子どものスライド
〈成果と課題〉
○Googleスライドの特性①
Googleスライドでは臓器ごとにスライドのページを分けてまとめるなど、ある程度レイアウトが決まっていたので、紙のノートに書く場合よりも整理できている子どもが多くいました。
また、提示した課題に関係がないと判断した臓器のイラストを削除したり、逆に画像を追加添付したりする様子も一部で見られました。
紙ワークシートでも、今回のようにある程度レイアウトをを決めることができますが、Googleスライドには「子どもの予想を反映させた教材にしやすい(その場で加除修正できる)」「子どもが情報を整理する際に工夫の余地がある」という2つの特性があるように思いました。
○Googleスライドの特性②
調べていくうちに生まれた疑問に対し、さらに深く調べる姿が見られました。これは、一般的な調べ学習でもよく見られる姿ですが、Googleスライドにはその「深く調べたことの表現のしやすさ」に特性があるように思います。
インターネット上の画像や文章を簡単に貼りつけられることが、表現の豊かさにつながったと思います。(もちろん、現状では、そのレベルのPCスキルをもっている子どもは多くはありませんが、教えたらすぐできる手応えは感じました)
○他者との関わりによる変容
他者が作成したスライドを見る場を設けることで、知識を広げていく様子が見られましたが…、どちらかというとそれよりも、スライドのデザイン性(おしゃれさ)を自分のスライドに取り入れようとする様子の方が多く見られたように思います。
○学習履歴を残す価値は
その後の学習(呼吸や不要物の排出の場面)でも、同じようにGoogleスライドを活用しましたが、夢中になって調べはするものの、前時までに自分がつくったスライドを見返すような姿は見られませんでした。(そもそも、その「学習履歴の活用」は元々ねらっていなかったということもあり、そうした必要感を生む授業を構成していないので、当然と言えば当然です)
〈Jamboardのデジタルノートと比較して〉
Googleスライドは、プレゼンテーション機能が満載のソフトなので、デジタルノートとして活用するには余計?な機能が多い感じがしました。背景の色を変えたり、アニメーションをつけたりと、誰かに発表するかのように工夫している子どもがいたのも事実です。
一方で、Jamboardは「調べたことを付箋に入力する」という操作がほとんどなので、デジタルノートとして活用しやすいのはこっちかなと思います。今回、Googleスライドで見られた表現の豊かさ(画像や文章の貼付など)は、Jamboardでも十分引き出せそうです。むしろ、直接ペンで書き込めるJamboardは、さらに考えを表現しやすいのかなと。
ということで、Jamboardの活用バージョンでこの単元をやってみたいなと思いました。
Googleスライドを活用する際は、発表の場を設ける等、「相手意識」をもたせると効果的なのかもしれません。
みなさんのGIGA実践、いつも参考になります!ありがとうございます。
※子どもたちが最も生き生きと活動していたのは、PCを教室に置き、外に出て、植物を探している場面でした。…の記述にホッとしました。
やはり、
実物第一、自然事象があってこその理科!
やっと、掲示板にあげれます。
先週の金曜日に、自校の研究大会がありまして、「今日のGIGA」の更新が滞っておりました。研究会の実践は、ICTを活用する実践ではなかったもので。
研究大会に参加していただいた会員の皆様、ありがとうございました。対面での研究大会を開催できたこと、久しぶりに他校の先生方に見ていただけたこと、子どもたちと楽しく授業ができたこと、分科会でみなさんと議論を深められたこと、紺野会長から助言をいただけたこと、
全てに対して感無量でした。研究会を開くことが当たり前ではないことを実感しました。本当にありがとうございました。
本題です。今日のGIGA。
3年生「植物の体のつくり」です。
以前、幡宮先生が紹介していた「ジャムボード」に挑戦しました。
・準備
朝のうちに、教師が育てておいた手頃なマリーゴールドとミニヒマワリを抜いて、写真に収め、ジャムボードの背景に設定しました。
比較を促すために、「差異点」と「共通点」の枠をもうけました。
・授業スタート
実物を全体に見せると、すぐに何人かが「気付いた!」「見つけた!」と手を挙げます。「比較の考え方」が豊かになっている表れとも見ることができます。
そこから何人か指名し、それらの気付きを受けて、ふせんへの書き方と位置付け方などの操作方法を指導しました。それでできたのが、これです。
これを、クラスルームから、全員に課題として提出しました。今回は、共有して編集はせずに、個人でやります。
課題として提出する際に、ポイントがありました。
「各生徒にコピーを作成」にして、課題を作成すると、全員に各自の名前付きで、上記のファイルが送られました。ここら辺の操作も、子どもたちは見ています。「へ~、そうやって課題だすんだ」というつぶやきも聞こえました。
大きな混乱もなく、全員がふせんに書き込み始めました。
これは、授業後に提出されたものです。↓は、ふせんが多い子です。
活動中に「お、ふせんがもう〇枚でしょ!すごいね!」と、ぼそぼそと、時には張り気味で話しながら見て回ってました。
↓なぜかふせんの色を変えていました。この子なりに、意図があるのかもしれません。
↓この子は、「大きさ・太さ」という視点と「色」という視点で気付きをわけていました。このような類分けについては、価値付けをして全体に広げました。「なるほど、気付きのなかでも似た種類があるんだね。おもしろい!」と、張り気味の声で。
「もちろん、実物を見てもいいよ」と、声をかけると、すぐに集まってきました。クロームブックを持って集まっている子たちもいました。
「先生、やさしく触ってもいい?」と、可愛い質問も受けました。当然、「もちろん」と伝えました。
ここまでが、今日の3時間目の様子です。
「5時間目に続きをやるから、まだ提出しなくていいよ。というか、提出しないでね。」と、伝えました。課題を提出してしまうと、そのファイルは本人でも更新できなくなるからです。
補足ですが、課題を提出し、その後に、修正や変更をしたい場合は、「提出を取り消す」ことで、可能になります。(これは、ジャムボードに限ったことではありません。ドキュメントも、スライドも同様です。)
修正後に、再度提出することになります。
・5時間目スタート
T「ちがいも、共通点もたくさん見つけたね。」
T「じゃあ、みんながあげた、この共通点は、どんな植物でも共通してるんだね。」
C「いや、そんなことはない。」
C「どの植物にも共通してるものもあると思う。根があるとかは。」
というやりとりを経て、野草の体のつくりを調べに外に出ました。
「共通性・多様性の見方」を働かせる場を意図しています。
ビニルハウスの中に、自分の身長より高いヒメジョオンを見つけて大喜びしていました。
どんぐりから芽が出ている状態を見つけて、「先生!先生!」と。ほかの子どもたちも集まってきました。
「すごい、すごい」と口々にいう子どもたち。「トトロみたい」という声も。「どこで見つけたの?」と場所を聞いて、自分も見つけに行こうとする子。
「何がすごいの?」と問うと、うまく言葉にはできないようでしたが、「命が…」という声も聞こえました。
見つけた子は、家に持ち帰り、夏休み明けにまた学校に持ってくるそうです。
教室に戻ると、何も指示をしていなかったのですが、雑紙を敷いて、戦利品のように並べていました。
見つけた植物を写真に撮り、先ほどのジャムボードのファイルに新たなページとして、加えることを指示しました。(これは、外に出る前から伝えていました。)外での活動に時間がかかったため、「写真を載せるだけでよい」と伝えたのですが、気付きなどを加えている子もいました。
この日のうちに提出したのは25名でした。欠席者も入れると10名が未提出です。
これは、タイピング技能の差もありますが、こだわって、もっと完成度を上げてから提出しようとしている子もいます。
ペーパーテストのあとなどの時間や、自宅で作成している子もいます。
成果
〇ふせんを増やすという行為が、3年生の発達に合っている。そのことにより、比較の考え方がより働く。詳しく見ようと、自然事象に近付く。