旭川支部研究主題
自らかかわり、科学的に考え、論理をつくる子供の育成
旭川支部研究部長
馬場 大輔
旭川市立神居東小学校
【研究内容1】 自ら問題を見いだす工夫
先行きが不透明な予測困難な時代を生きる子供たちが,未来を切り拓き新たな価値を創造していくためには,解決したい問題を子供自らが見いだすことが重要である。
1 自然事象との出会いの工夫
問題を見いだすためには,子供自らが自然の事物・現象に親しみ,その気付きから疑問をもち,問題意識を醸成していくことが大切である。
そこで,児童が扱う対象に着目するような自然事象との出会いを工夫する。出会いを工夫するにあたり,学習内容に関する既有の知識や生活経験といった児童の実態を把握する。問題意識を醸成しようと提示した事象が,児童にとって当たり前の内容であれば,「どうして?」といった疑問を生じることがないからである。
また,扱う教材や事象の提示の仕方を工夫することで,事象と既有の知識や生活経験とのズレに気付くことができるようにする。例えば,同時に複数比較できる観察対象や,時間的な前後の関係を比較できる対象を用意することで,見方・考え方を働かせながら問題意識を醸成することができる。
2 問題を見いだす工夫
自然事象との出会いによって醸成された問題意識や気付きから生まれた疑問を,解決すべき価値のある問題にするためには,子供たちの思考に沿い,共通の問題となるよう仲間と整理していく必要がある。
そこで,個人の気付きや疑問を比較できる場を設定することで,学級全体の問題とすることができる。その際,ICT を効果的に活用することが大切である。
また,問題は,教師側の解決させたい指導事項と児童側の解決したい疑問が合致することが大切である。そのために,単元の目的や,児童にとって解決可能なものであるかどうかを踏まえ,扱う教材やその扱いについて吟味する。
さらに,児童の思考に沿った問題解決の実現のための問題を設定する。単元によっては,解決すべき複数の問題を単元の始めに設定したり,問題を解決した後に新たな問題を設定したりすることが考えられる。単元や教材の特質に応じて,児童の思考に沿う形の学習展開となるような問題を設定する