オホーツク支部研究主題
オホーツク支部研究部長
渡辺 翔太
興部町立興部小学校
学びを実感し、問題解決し続ける児童生徒の育成
平成29年告示の学習指導要領では、今の子供たちが社会で活躍するころには「予測が困難な時代」を迎えるだろうと予想している。Society5.0、AI、SDGs、新型コロナウイルスなどといった新しい社会や生活様式の中で、たくましく、幸せに生きていける子供の育成は、我々教員の大きな課題であり、使命である。これまでの教育実践を振り返ることにも一定の価値があるが、新しい時代を生きていく子供たちに必要な力を「理科」を通して育てていくために、我々も挑戦し、変化し続けていきたいと気持ちを新たにするところである。
これまでオホーツク理科教育研究会では、研究主題を「仲間と共に学び、未来を切り拓く児童生徒の育成」とし、問題との出会いや対話の場面を工夫することによって子どもの主体的な問題解決を目指してきた。その結果、子どもが主体的に学ぶ姿を引き出すことができるようになってきたと考えている。また、対話によって自分の考えの妥当性を確かめたり、自分とは異なる意見を取り入れたりすることで、より良く問題を解決しようとする姿を引き出すことができたことも成果として挙げられる。これらの成果は我々が求めてきた問題解決の第一歩であり、これからも継続して求め続けていきたい姿である。
一方で、問題解決が授業や単元の中に留まってしまっていることが課題として挙げられる。問題解決のプロセスは、問題から始まり解決で終わるものではない。解決したときに新たな問題が生まれ、スパイラル的に続いていくものである。また、問題解決は理科の授業でのみ行われるものではない。理科で鍛えた問題解決能力は、子供の中で汎化され、日常生活においても活用されるべきものである。このことは、「予測が困難な時代」をたくましく生きるために重要な要素であると考える。